[arsc-ml 136] 第154回地域科学ワークショップのご案内

zhang yang zhang @ se.is.tohoku.ac.jp
2017年 5月 29日 (月) 10:27:23 JST


拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 
さて,第154回地域科学ワークショップを,下記の通り開催する運びとなりまし 
たのでご案内申し上げます。ご多忙中とは存じますが,是非ご出席ください。 記 日 
時:2017年6月16日(金)16:00~18:00 場 所:東北大学 
情報科学研究科新棟412号室 報  告  者:近藤恵介(経済産業研究所)

タ イ ト ル: 地域の雇用と人工知能 (with 浜口伸明)

  アブストラクト:
 近年,人工知能・ロボット・自動化に関する急速な技術進歩により人々の雇用が奪われ
るのではないかという懸念が高まっている.そこで本研究では,職業別のコンピュータ化
確率と日本の雇用データを用いて,コンピュータ化に対する雇用リスクを分析する.本研
究の特徴として,職業の地理分布は国内で均一ではなく,ある職業は都市に多く,またあ
る職業は地方に多いということが観測されていることから,特に地域の異質性を考慮する
ことにある.同様に,職業の地理分布は男女別にも異なることから,男女別・都市規模別
という観点からコンピュータ化に対する雇用リスクを分析する.
分析の結果,男性の場合,大都市圏ほどコンピュータ化されにくい職業に就いている労
働者の割合が高く,コンピュータ化に対する雇用リスクが低くなる一方で,女性の場合,
全く逆の傾向を示すことがわかった.つまり,大都市圏ほど,男性に対して女性はコンピ
ュータ化に対する雇用リスクが相対的に高いということである.また,コンピュータ化確
率の高い職業ほど就業者の平均教育年数の値が低い傾向にあり,コンピュータ化されにく
い職業へ転職するには追加的な人的資本投資が必要とされることが示唆される.
政策的含意として,多くの先行研究が指摘するように,コンピュータによって代替され
にくい職業や今後生まれる新たな職業へ容易に転職ができるよう,人的資本の底上げは重
要であると考えられる.また十分な人的資本を保有しているにも関わらず,コンピュータ
化確率の高い職業に留まっている就業者も観測されており,潜在的に持っている能力を十
分活用できるような雇用流動化を支える政策が重要になってくる.さらに,人工知能の支
援によってビジネス効率化とよりよいワーク・ライフ・バランスの双方が実現されれば長
時間労働が必要でなくなり,労働者の能力に基づいて評価される雇用環境を整備すること
は,女性活躍推進という点からも必要になってくるだろう.
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〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉6-3-09
	 東北大学大学院情報科学研究科棟(青葉山)
	 
     世話人:安藤朝夫(顧問)、曽道智、河野達仁、伊藤亮、張陽
     TEL:  022-795-4503
     zhang @ se.is.tohoku.ac.jp

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